粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

圧縮性流体

compressible fluid

 液体は通常非圧縮性であるが,液体中の音波の伝播を考えるような場合には,圧縮性を考慮しなければならない。
 気体の圧力や密度の変動は音波として音速で伝わるので,気流の速度 v が音速 C を超えるかどうかによって流れは大きく変化する。マッハ数 M = v/C が M > 1,M < 1 でそれぞれ超音速流,亜音速流という。超音速流では圧力変動はマッハ波に沿って伝播し,マッハ波の重なりによって衝撃波が生じる。気体が衝撃波を通るとき,圧力や密度の急激な増大と速度の急激な減少を生じ,流れの偏向を受ける。亜音速流では圧力は周囲にほぼ等方的に伝わり,非圧縮性流体と本質的には変わらない。マッハ数 M < 0.3(通常 v < 100 m s-1)では気体でも非圧縮性流体として取り扱える。
 密度と圧力の変化は状態方程式によって熱力学的変数を介して表わされる。したがって圧縮性流体では流体力学と熱力学を連成して考えなければならない。

→ 非圧縮性流体

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/5/26

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