粉体工学用語辞典 powderpedia: Glossary of Powder Technolog

一般社団法人粉体工学会

圧縮成形

compression forming

 セラミック粉末の圧縮成形にはいろいろな方法があるが,通常ピストン圧縮静水圧圧縮がよく用いられる。また被処理体を爆薬で取り囲み,起爆して発生した衝撃波で粉末をしばり込むように働かせて緻密化する方法もある。この圧縮成形法では理論密度の 95 % 以上のかさ密度(嵩密度)をもっ圧粉体が得られる。圧縮成形体一軸加圧で成形する場合,粉体と金型壁面とのプリッジ現象による圧カ損失と不均一な圧力伝達に起因した成形体内密度の不均質化が起こり,特に長尺の圧粉体ではラミネーションや欠けなどを発生しやすいので注意が必要である。圧縮速度を速すぎないようにし,また圧縮直前に減圧して脱気すればラミネーションが防止できる。一方,アイソスタティック成形は静水圧により無限多軸的な方向より圧縮して成形する方法で,均質で高密度の成形体が得られる。セラミックスの圧縮成形に顆粒を使用する場合その性質が成形体密度の均一性に大きな影響を及ぼす。顆粒に要求される条件として,金型への流動性・充塡性がよいこと,またそのためには顆粒形状が球状で粒度が揃っており,個々の顆粒密度が高いこと,および加圧の初期段階では崩壊せずに中期段階で崩壊し,最終段階ではその形骸が残らないような適切な強度を有すること,などがあげられる。

→ アイソスタティック成形圧縮粉末成形

執筆者:粉体工学用語辞典
更新日:2021/5/26

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